* 第1章

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「…何しに来たの?」 私は作業をしながら言った。 「二階の飾りつけ、 終わったから。 ――俺も乃依を手伝うよ。」 「えっ、もう終わったの!?」 ――だって、あまりにも 早すぎる。 思わず勢いよく 彼の方を振り向いた、その時。 「…乃依!」 「――っきゃ…!」 バランスが思い切り崩れ、 脚立がグラッと揺れた。 その弾みで私は足を滑らせ、 ――冷たい床へと落とされた。 高くもなければ 低くもない距離。 目をつぶるしかなかった。 ――ドサッ… 「…ぅ」 鈍く、低い声が漏れた。 その声と感触で、私は すぐに状況を理解する。 「ちょっ…嘘でしょ…っ」 さっき来たばかりの小倉君が 私の下敷きになっていた。  
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