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私は慌てて彼から降り、
怪我を確認した。
「喋れる!?
どこか痛いところは…!?」
「…そんなに心配する程
じゃねぇよ…」
彼はゆっくり立ち上がった。
だけど、かすかに
ふらついている。
「ほ…保健室…!」
私は彼を引っ張り、保健室に
連れて行こうとした。
だけどすぐに手を離された。
「大丈夫だ。
それより作業を…」
「…っどこが大丈夫よ!」
私のせいでケガしたくせに、
私を手伝おうとしないで。
急に叫ばれて彼は驚いていたけど、首を縦には振らない。
「本当に、一瞬 痛かっただけだ。もう何ともない。」
「…嘘。
さっきから声が濁ってる。」
「………え」
「私、あんた以上に
しつこいから!」
「な、何だよ俺以上に
しつこいって……」
「いいから!」
再び彼の手を引っ張る。
今度は、おとなしく
ついてきてくれた。
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