102人が本棚に入れています
本棚に追加
透き通った青い空を、
切なく感じるのは、心境が
関係しているのだろうか。
だとしたら、私は一生
綺麗な空を見れないかも
しれない。
「おはようございます、
乃依様!」
「今日もお美しい…!」
「荷物持たせてください!」
――始まった。
また今日も、朝から
私の周りは騒がしい。
「…近寄らないで」
そんな私の小さな声も、
あっけなくかき消される。
「乃依様、今度一緒に
お食事でも――」
「いや、僕と一緒に――」
ああもう、五月蝿い。
私はいつも通り、
早歩きで玄関に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!