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――沈黙が続く。
廊下に響いているのは
二人が歩いている音だけ。
そうさせたのは紛れもなく
私だ。
・・・本当は前みたいに
話したいのに。
どうしても、あの時の女の人が頭の中に横切って…。
やっぱり、
恋愛関係…なのかな。
「乃依」
ふいに小倉君が
私の名前を呼ぶ。
私はただ顔を上げ、
彼の言葉を待つ。
「…学校祭は、一緒に
回ってくれてありがとう。
それと…ごめんな。」
小倉君は私の目を
まっすぐ見たまま謝った。
悪いのは私なのに。
「・・・ううん」
その一言だけで、
返してしまった…。
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