* 最終章

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「乃依!どうして俺なんか 庇ったんだよっ…」 「・・・・・」 彼女は痛そうな顔を隠すように立ち上がった。 少しフラついている。 …思い切りやられたんだな。 「…わたしは大丈夫」 かすれている声。 どこが大丈夫なんだよ… 「早く迎え呼べよ!」 俺は彼女を支えながら、 早く帰らせようとする。 だけど乃依は 声を振り絞って続けた。 「…大切な人だから」 「――え?」 「好きだから…」 「乃依、それ…」 思わず耳を疑う。 でもその声は、まっすぐ、 俺に届いた。 「小倉君のこと、好きなの」  
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