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「乃依!どうして俺なんか
庇ったんだよっ…」
「・・・・・」
彼女は痛そうな顔を隠すように立ち上がった。
少しフラついている。
…思い切りやられたんだな。
「…わたしは大丈夫」
かすれている声。
どこが大丈夫なんだよ…
「早く迎え呼べよ!」
俺は彼女を支えながら、
早く帰らせようとする。
だけど乃依は
声を振り絞って続けた。
「…大切な人だから」
「――え?」
「好きだから…」
「乃依、それ…」
思わず耳を疑う。
でもその声は、まっすぐ、
俺に届いた。
「小倉君のこと、好きなの」
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