* 最終章

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* * * * * * まだ少し痛む頬を抑えながら、 私は別の手で彼と手を繋ぐ。 やっと、伝えられた。 不器用だったけど。 それより一つ 聞きたいことがあって、 彼を見ながら言った。 「あのさ、学校祭で 会った女の人って誰?」 小倉君は一瞬「ん?」と唸ったけど、すぐ答えてくれた。 「姉だよ。 家でもあんな感じだ」 「…あ、姉!?」 …うそ、私、家族に 嫉妬してたんだ…。 凄いショックだけど、 それ以上にホッとしている。 「ねぇ、小倉君…」 「…乃依、『小倉君』ての やめねーか?」 「え、…じゃあ、蓮君?」 「蓮でいいよ」 そう言われても、 恥ずかしいし…。 彼はそんな私を見て 笑っている。 もう、早く 慣れてやるんだから!  
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