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まだ少し痛む頬を抑えながら、
私は別の手で彼と手を繋ぐ。
やっと、伝えられた。
不器用だったけど。
それより一つ
聞きたいことがあって、
彼を見ながら言った。
「あのさ、学校祭で
会った女の人って誰?」
小倉君は一瞬「ん?」と唸ったけど、すぐ答えてくれた。
「姉だよ。
家でもあんな感じだ」
「…あ、姉!?」
…うそ、私、家族に
嫉妬してたんだ…。
凄いショックだけど、
それ以上にホッとしている。
「ねぇ、小倉君…」
「…乃依、『小倉君』ての
やめねーか?」
「え、…じゃあ、蓮君?」
「蓮でいいよ」
そう言われても、
恥ずかしいし…。
彼はそんな私を見て
笑っている。
もう、早く
慣れてやるんだから!
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