* 最終章

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「で、…れ、蓮。 本当にお金目当てじゃない?」 一応聞いてみたけど、 彼はふくれっ面で言った。 「まだ疑ってんのかよ。 俺は乃依しかいらない。」 うわ、クサイ台詞。 蓮は恥ずかしくないのかな? …とりあえず、 彼を信じてみよう。 大丈夫、繋いでる この手は あたたかい。 ――放課後の空は オレンジ色で、だけど 透き通っていて。 「ねぇ、蓮」 「ん?」 「空、綺麗だね。」 久しぶりに「綺麗」なんて 口にしてみる。 彼は何も言わず、ただ 優しい瞳で頷いた――。   この恋を信じたら   これからも見れるかな?    儚くも美しい、    ひとつの何かを。        …あなたと。        ―END―  
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