* 第1章

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* * * * * * ――キーンコーン カンコーン… むなしく鐘の音が響く。 俺の心の中をまるっきり うつしたかのような音。 ――あぁ、今日もやっぱり あいつに伝わらない。 好きだ、という気持ち。 最初に伝えたのは3ヶ月前。 勇気を持って彼女に告白した。 はっきり言って、 フラれると思った。 だけど彼女の答えは… 『…またかぁ。 あのさ、お金目当てなの バレバレだから、私に 近寄らないでもらえないかな』 ――と、告白さえ 認めてもらえなかった。 もちろん俺は誤解を解きたくて 色々言った。 『俺は本気なんだ!』 『他の奴とは違う!』 『…信じてくれ!』 だけどそれは、他の男も 言っていたことらしい。 最後まで信じてもらえず、 ――今に至る。  
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