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「あんな、じじい…どうでもいいんだよ…
今、僕が興味有るのは…」
ロイドはユエを壁に追い込み、絡み付くような嫌らしい手つきでローブ越しにユエのまだ幼い体を這わせていき、ユエの顎に手を添えて自分に顔を向けさせる。
そして歯を剥き出して大きな笑みを見せた後にユエの唇に自分の唇を触れさせようとする。
「私に触れないで下さい…穢わらしい…」
今まで以上に冷たく、ロイドの唇が自らの唇に触れる前に言い放つ。
するとロイドの動きが止まり、ギロリと“黒と紅の瞳(ヘテロクロミア)”がユエを睨み付ける。
「軽々しく触れないで下さい…穢れが移ります…
その気になれば貴方ぐらい、どうとでも出来るんですよ?“ナイアー”」
ユエは殺気と侮蔑の両方を込めた言葉を吐き付ける。ロイドではなくナイアーという別の名前で呼んで…
それにロイドは憤るどころか裂けんばかりに口を歪めながら笑みを作る。
そしてユエからゆっくりと離れる。
だが、ロイドの手がユエの首を掴み上げ、そのまま壁に押し付ける。
「がっ、あぐ…」
首を締め上げられて苦しみながらロイドの首を締めてくる手を退けようとその小さな両の手の爪を立てて抵抗するがロイドの手はけして離さずに更に締めてくる。
「調子に乗るなよ、カーラネミ?
確かに僕は今、殆どの力は使えない…だけどそれは君もだろ?
それなら…僕の方が強い…」
「あがぁ…!」
首に指を食い込ませるとユエは息苦しそうな悲鳴を上げる。
幼い体は酸欠に震えて、白目を剥き出す。
その苦しそうな様を狂気の笑みを浮かべて見て、満足したのか彼女を離す。
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