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「むか…し…」
会長さんの言う通り過去僕は桂木春乃と出会っているのか…
「ねぇ…忘れちゃったの?」
「え?あっ…いや忘れてないよ!」
「嘘つかないで…浜中君嘘つくとき目を合わさないの変わってないね…」
桂木春乃は笑顔だがどこか寂しく儚げな笑顔だった。
「…ごめん…僕いつのまにか記憶を失っちゃったんだ…」
「じゃあ…あの時私に言ってくれたこと忘れちゃったの?」
「あのとき?」
「やっぱり忘れちゃったか…」
「ごめんね…でも頑張って記憶を取り戻すよ!」
「取り戻す?」
「え?」
「そんなに簡単に取り戻せるの!」
桂木春乃はなぜ怒っているのかわからなかった。
「そうやって…みんないなくなっちゃうんだ…」
「え?みんな?」
「…ううん…何でもないの…浜中君には関係ないの…」
「…関係ない?ホントに僕に関係ないことなの?」
「関係ないって言ってるでしょ!」
僕はこの言葉に少しイラッときた。
「関係ないなら何も言わなきゃ良かっただろ!」
「なんで?なんで浜中君が怒ってるの?」
桂木春乃は目から大粒の涙を溢しながら問いかけてきた。
「あっ!…その…ごめん…」
「せっかく…やっと浜中君に会えたのに…すごく嬉しかったのに…こんなのヒドイや…」
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