25人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
その試合からあたしはバスケをサボルようにった。
仲間からは邪魔ものを見ている目で見られた。
そしていつしか学校も行かなくなり学校も辞めたのだった。
この話をトモキは黙って聞いていた。
『ウチはもうバスケせぇへんねん』
『好きやのに?』
『好きちゃう…』
『逃げてるだけやろ?』
『……逃げてるよ…』
『分かってるんやったらまたやれよ』
『したくてももう出来ひん』
『何で?』
『病気やから』
『なんの?』
『産まれつきの……もう運動したらあかんねん』
『そっか……』
トモキはあたしを抱きひしめた。
あたしはトモキの胸の中で涙を流した。
少し落ち着いてあたしはトモキに送ってもらい家に帰った。
『ありがとう!』
『おぅ!』
『またメールするわ!ばいばい』
トモキはにっこり微笑み車を走らせた。
最初のコメントを投稿しよう!