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「ねえねえっ」
授業が終わった時間に俺と廉は教室に戻った。
これで今日の授業は全て終わりらしく、
クラスの奴らは帰り支度をしている。
廉のことを笑顔で見ながら話しかけてくる女。
「このあと暇?良かったら遊ぼー?」
「いーねー。将弥もいることだし」
竹村だっけ?
と、廉が話してる。
「やったぁ!!沙夜も行こーねっ」
ほぼ強制的のように、竹村は沙夜に言っていた。
沙夜は表情を変えずにうなずく。
「勝手に話が進んでる…」
先に歩いていく廉と竹村を眺めながら、ぽつりとつぶやいた。
「ねえ、行かないの?」
2人に続いて歩き出していた沙夜が俺の方に振り返る。
まあ、いっか。楽しそうだし。
俺は沙夜の問いに答えるかわりに、隣に並んだ。
「意外と背、高いじゃん」
「意外は余計」
「俺よりは小さいけどなー」
「当たり前でしょ」
会話は、できんじゃん。
冷たい感じだけど。
俺より15㎝くらい小さい沙夜にいろいろと話しかけながら、廉と竹村の後を追った。
このとき俺は、学校に来て楽しいじゃんって、初めて思えた。
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