ともだち .

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沙夜は実験の様子をノートに まとめていた。 「な、将弥もやる?」 「実験内容、よく分かんねーんだよなー」 廉は、なんだかよく 分かんねーものをピンセットで つまんでバーナーで燃やしていた。 「ただ燃やすだけだよー!」 横から声がして見てみると竹村がいた。 頭の上の方で髪を丸くまとめている。 …おだんごヘアーって奴? 竹村は毎日のように髪型が変わっている。 苦笑いしながら廉が竹村を見た。 「適当な説明だね」 「そう?」 廉の、苦笑いだか愛想笑いだか。 とりあえず良い意味ではない笑みにも、 竹村は楽しそうに笑顔だった。 ま、気付いてないのかもな。 「つか、燃やすのは分かってんだけどな。 何のためにそんなことすんだ?って思って」 バーナーで燃やしていたものは 真っ黒になっていた。 「…わかんない」 ぴたっと動きが止まって 首をかしげている竹村。 …実は馬鹿だよな、此奴。 「んー、何だっけ」 「お前らも分かってねーじゃん」 俺は少し笑いながら言った。
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