8人が本棚に入れています
本棚に追加
/71ページ
「元気だった?」
「普通」
廉と竹村が笑って話してんのを
眺めながら簡単に会話する。
「…相変わらずだな」
「は?」
冷めた声で言われた。
こういうのにも慣れたけど。
「いーや、何も」
「ふーん」
特に話す内容もなく、そのまま
会話は終了した。
タイミングよく先生も入ってきて
今まで騒がしくしていた
クラスの奴らもだらだらと席についていく。
新学期をどう生活しろだとか、
今後の日程だとか、
説明してるのを聞きもせずに
自由にお喋りを始めるクラスメート。
横を見てみると、竹村も
後ろに振り返って
沙夜に話しかけていた。
「ねー、沙夜。夏休みの宿題うつさせて!お願いっ!!」
必死に頼み込んでいる
竹村の声が聞こえてくる。
「あっ俺も~」
「えー廉くんも?」
夏休み前と同じ。
沙夜と竹村、2人の会話に
廉がいつも加わっているパターン。
で、いつの間にか俺も
会話に参加してて。
だから俺ら4人は
仲良くなったんだと思う。
「はぁ」
ため息をついたのは沙夜。
廉と竹村は気づかなかったようだ。
「頭良いのも大変だなー」
「どうせ宿題やってないでしょ」
いつも無表情な沙夜が、
呆れたような顔をしていた。
まあそりゃ、1人だけじゃなく3人に宿題見せてと
言われたんだもんなー。
…俺も見せてもらうつもり。
「見せてくれるよな」
「やだ」
「うわ、ひでー」
俺と沙夜がこんな話をしてる間に、
廉も竹村もちゃっかり
宿題をうつし始めていた。
「ジュースおごるからさっ」
「んー」
最初のコメントを投稿しよう!