変化 .

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そんなことを考えながらも 俺は黙々と宿題をうつす作業を続けていたおかげで 一番最初に終わった。 「あー、疲れた」 思いっ切りのびをしてから立ち上がる。 そのままドリンクを取りに行こうとした。 「うわっ将弥ずりー。手伝って!」 「ずるくねーよ!自分でやれ」 竹村とずっと喋ってるから終わらねーんだよ。 と、言うのを止めてドリンクバーまで行く。 そういや沙夜 どこ行ったんだ? トイレに行く、と言ったまま 全く戻ってきていない。 心配ってわけじゃねーけど。 気にかかる。 ドリンクを放置してトイレの方へと向かった。 「……」 トイレの入口付近でしゃがみこんでいる沙夜を見つけた。 「沙夜っ!どーした?」 すぐさま駆け寄って声をかける。 いつもクールな表情の沙夜が弱々しい顔をしていた。 「…平気」 そう言ってふらふらと立ち上がる。 「本当かよ」 「うん。目眩がしただけだから。もう大丈夫」 そう言うと沙夜はすたすたと、普通に歩いて戻って行った。 心配したが 寝不足とか何かだろ 程度に思い、気にも留めなかった。 そして放置していたドリンクを取りに戻り 廉たちのところへ行く。 「お、将弥!俺もあと少しで終わるぜ」 「廉くん待ちだからねー」 竹村がオレンジジュースを飲みながら廉を見て、言う。 「竹村も終わったんだ?」 「うんっ」 椅子に座って廉の様子を眺める。 沙夜は読書を始めていた。
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