変化 .

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竹村が廉や沙夜に何度も話しかけて それに適当に返事をして 会話を終了する沙夜と、 返事をしているうちに会話が弾んで 宿題をうつす手が止まっている廉。 沙夜が竹村の相手をしてればいいと思うんだけどなー。 廉が終わらない最大の理由は竹村にあると思うわけ。 3人の様子を見ながら考える。 こんな関係も楽しかった。 いつも自然と一緒にいる。 「おし!終わったー」 俺が終わってからだいたい30分後。 やっと、廉のそんな声が聞こえてきて顔をあげる。 「お前遅い」 腹が減ったから何か注文しようとしていた最中だった。 再びメニューに視線を戻す。 「杏が話しかけるから」 本を鞄にしまいながら沙夜が言う。 にこにこしながら廉を見ていた竹村は 驚いて沙夜のことを見る。 「えーっ!あたし!?」 沙夜が当然のようにうなずく。 それにつられて俺もうなずいておいた。 「水野くんまでー。そんなことないよねっ!ね?」 助けを求めるように竹村は廉のことを見て言う。 「う、うん。杏ちゃんのせいじゃないよ」 「だよねーっ!良かったあ」 廉、優しいな。 …優しいっていうよりなんだ? はっきり言わなすぎ、か。 俺と沙夜は顔を見合わせて同時にため息をついた。 時間も時間だったわけで、 俺らはそのまま夜ご飯をここで食べ、いろいろ会話をしたあとに解散した。
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