8人が本棚に入れています
本棚に追加
/71ページ
―昼休み
怠い授業が終わって昼休みになった。昼だ。
教室を見渡して沙夜の姿を探す。
「将弥ー。お昼、杏ちゃんに誘われちゃった!」
「へー」
そんなことは別にどうでもいい。
杏って奴は興味ない。
俺は廉の話を軽く流しながら教室のドアをじっとにらみつける。
「なー聞いてる?将弥も昼、一緒にー…」
「あっ廉くーん!」
廉の声よりおっきな女の声がした。
なんて廉が言おうとしたのかも聞き取れていない。
「東條と食べるの?」
すぐあとにまた女の声がする。
その声の主こそ、俺が探していた人物。
「うんっ!水野君もっ」
竹村と沙夜だ。
笑顔で竹村はそう言いながら俺らの前まで来る。
「沙夜ちゃんいーい?」
にこっとしながら廉が沙夜に言う。
喋らずに沙夜はうなずいていた。
最初のコメントを投稿しよう!