変化 .

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勝手に俺も加わっていた。 けどまあ、いっか。 机を合わせて4人、向かい合わせになる。 「中学のときの班、って感じだね沙夜!」 「うん」 楽しそうに沙夜と竹村が話しているのを見ていた。 「…はい」 椅子に座ったとき、沙夜が俺にパンを渡してきた。 「何でメロンパン?」 「好きだから」 素っ気なくそう答えられる。 沙夜が朝の約束を、きちんと覚えていたんだと思うと嬉しかった。 「ふ~ん」 沙夜の好きなものか。 今日は沙夜について分かったことが2つ。 「いらないならあたしが食べるよ」 手に持って、ぼーっとメロンパンを見ていた。 そんな俺に沙夜が、手を伸ばしてきて言う。 「いや、せっかくだから食うよ!」 沙夜からパンを取りかえす。 「あのー、先食べてていい?」 俺と沙夜に竹村が言う。 廉もにやり、と怪しい笑みを浮かべて俺らを見ていた。 「あっ!沙夜、薬」 ふと、時計を見た竹村はそう口にした。 「そーだ。ありがと」 カバンから小さな袋を取り出すと、バタバタと教室を出て行った。 「薬って?」 俺の聞きたかったことを廉が聞いた。 「何でもないよー!早く食べよっ」 わざとらしく話をそらして竹村は持参らしい弁当のふたを開けた。 「……」 気になったけどそのときは、沙夜がくれたメロンパンがいつもよりおいしく感じて。 食べ終わるころにはすっかり忘れていた。
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