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沙夜がこの日欠席したこと。
これは普通の休みとは何かが違っていた。
だが、そんなことに俺はちっとも気づかなかった。
「杏ちゃん。このあと遊び行かね?」
帰り際に廉が竹村を遊びに誘っていた。
放課後に4人で集まるのはいつものこと。
今日は沙夜がいないから必然的に3人になってしまうが。
竹村が廉の誘いを断ることは今まで、100%なかった。
買い物があるとか、バイトがあるとかいう日でも俺たちの集まりを優先させるほど。
そんな様子から俺は、竹村が廉のことを好きだって、容易に推測できた。
周りから見た奴ら誰でも、そんなことはすぐに分かりそうだが。
「…ごめんねっ!
すごく…、すごく行きたいんだけど、今日は寄るところがあって!本当にごめん…」
その言い方はもの凄く悲しそうだった。
いつも明るく元気な竹村からは想像できない。
「そっかー。じゃ、また誘うよ!」
廉はいつものように笑顔でそう返す。
会話を終えると竹村は走って教室を出て行った。
「よっぽど大事な用なんだな」
そんな姿を眺めていた俺は廉にそう言う。
「だな。
じゃあ今日は、久しぶりに男2人で遊ぶとしようか」
その提案に賛成し、俺と廉は教室をあとにした。
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