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沙夜が学校に来なくなってから02週間弱。
いつも通りの時間にいつものように俺は教室に入ろうとした。
眠くて、目をこする。
「お、将弥ー!」
廉が朝から元気そうに俺のところまで駆け寄って来た。
朝からそのテンションは怠い。
「んだよ」
「ほら見ろよっ!」
機嫌悪く、乱暴に言ったのに対して、廉の口調は変わらず。
廉は俺の隣の席を指差している。
「………っ」
それは、一気に俺の眠気を覚ました。
沙夜が、前と変わらない様子で座っている。
本を片手に持って竹村の話を聞いていた。
「なっ?沙夜ちゃん来たじゃん」
俺の気持ちを表しているかのように、廉はもの凄く元気で嬉しそうだった。
俺は、というと。
何故か分からないがただ呆然と突っ立って、沙夜のことを見ていた。
「早くっ!席着こうぜ」
「お、おう」
廉にせかされて歩き出そうとしたとき、思い出したことがある。
俺…沙夜にキスしちゃってから01回も会ってねーんだった。
気まずい状況だ。
男なんだから、堂々としろ。俺。
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