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その様子を見ていた廉は苦笑して、飲み物を口にする。
「どうするかな」
「ええっ!?」
俺の言葉が予想外だったのか、驚いた顔をして俺のことを見る竹村。
そしてすぐに恨めしそうな顔をする。
「や、なんか竹村むかつくし」
「えーなんでよっ」
「なんでも」
すっかり俺のペースになり、余裕がでてくる。
照れていた、という話から完全にそれた。
うまくいったな。
俺と竹村の会話が珍しいのか、廉は笑顔を浮かべながら話を聞いている。
「あ、まさかあたしと廉くんが仲良いのに嫉妬してる!?」
「……あのなあ」
どっからそういう考えがでてくるのか。
竹村の頭の中はどうなっているんだろうと、疑問に思う。
俺はため息をついて次の言葉を口にしようとした。
「………」
人がひとり。
廉の横に増えている。
その人物は無言で、無表情のまま俺と竹村のことを見ていた。
「…沙夜。いつからそこにいた?」
冷静さを装って俺は沙夜に問う。
「杏に嫉妬してるってところから?」
にこっとして沙夜は言った。
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