告白 .

9/21
前へ
/71ページ
次へ
その様子を見ていた廉は苦笑して、飲み物を口にする。 「どうするかな」 「ええっ!?」 俺の言葉が予想外だったのか、驚いた顔をして俺のことを見る竹村。 そしてすぐに恨めしそうな顔をする。 「や、なんか竹村むかつくし」 「えーなんでよっ」 「なんでも」 すっかり俺のペースになり、余裕がでてくる。 照れていた、という話から完全にそれた。 うまくいったな。 俺と竹村の会話が珍しいのか、廉は笑顔を浮かべながら話を聞いている。 「あ、まさかあたしと廉くんが仲良いのに嫉妬してる!?」 「……あのなあ」 どっからそういう考えがでてくるのか。 竹村の頭の中はどうなっているんだろうと、疑問に思う。 俺はため息をついて次の言葉を口にしようとした。 「………」 人がひとり。 廉の横に増えている。 その人物は無言で、無表情のまま俺と竹村のことを見ていた。 「…沙夜。いつからそこにいた?」 冷静さを装って俺は沙夜に問う。 「杏に嫉妬してるってところから?」 にこっとして沙夜は言った。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加