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黙っている俺の視線を追って、
廉も隣を見た。
女の名前を呼んだことから
知り合いらしい。
「廉くんっ」
廉の呼びかけに返事をしたのは、
俺が見ていた隣の奴。
「ね、沙夜~。廉くんがこっち見た!」
廉の知り合いの女は隣の女に
話しかけている。
声が大きいからこっちにも
聞こえてんだけどなー。
「お前、知り合いなの?」
「ん?まぁね。席、隣だしさ」
普通にそう答えると、
視線は俺から隣にいる女たちにうつった。
「あ、こいつね、俺のダチの水野 将弥!」
簡単に、廉が俺のことを紹介する。
「この子は竹村 杏ちゃん!」
「よろしくねっ!」
竹村 杏とかいう、二つ結びの女は
笑顔で俺に言った。
黙ったまま、頭だけ下げて挨拶。
俺の隣の席らしい女は
何もしゃべらずにその様子を
見ているだけだった。
「ねっ沙夜も自己紹介!」
沙夜、と呼ばれた女は
順に俺と、廉を見る。
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