告白 .

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文化祭、2日目の最終日。 午前、前半の1時間半は俺ら4人が喫茶店の店員。 それからは自由だった。 何故か客は誰も入らず、竹村は廉とずっと喋っている。 「あと10分で終わりだっ」 「結局、誰も来なかったね」 るんるんと、笑顔で言う竹村。 さっさと文化祭をまわるのに必要なものを準備し始めている。 その横で廉は机の上に広げていたトランプを片付け、沙夜は読書中。 そんな3人の様子を見ながら、俺はぼーっとしていた。 「よし、もう交代してもらおうっ!」 と、勝手なことを言い出し、竹村は次の当番の奴らのとこへと駆けていく。 「…ちょ、これ忘れてる」 次の当番の人に渡すカードを持って竹村を廉が追う。 竹村の保護者だな、廉は。 黙ったまま様子を俺は見ていた。 そして教室へと視線をうつすと、ちょうど顔を上げた沙夜と目があった。 「なに?」 目をそらさない俺に、沙夜が最初に言葉を発する。 「文化祭終わったあと、話あるんだけど」 「今じゃだめなの?」 「だめ」 「分かった」 そして、本を閉じる沙夜。 こういうときはいつもの沙夜だ、と思う。
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