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俺の声が聞こえていたらしく、竹村は驚いた顔をして沙夜に何かを言っている。
笑顔だったはずの竹村の顔もいつの間にか、めったに見ない顔をしていた。
「めったに見せない顔だな。怖い顔して、どうした?」
そんな2人のところへ、俺と廉は行く。
多少の冗談を交えながらそう聞いた。
「は、早く行こっ!ここにいても意味ないし」
「そうだね」
怖いオーラを身に纏いながら、竹村、沙夜の2人は先に歩いていく。
普段見ない様子に廉も疑問を抱いたのか、竹村に問いかけていた。
「ね、杏ちゃん。どうしたの?…もしかして、坂井由梨亜のこと?」
妙に勘の良い廉。
その言葉に竹村は素直にうなずく。
此奴は廉にだけは嘘、つけないよな。
俺はそんな感想をもちながら、黙って竹村が喋り出すのを待つ。
「あの、坂井って子…だよね?沙夜」
すると沙夜は頷いて、竹村に代わって話し出した。
「あたしが2組で探してた子と関係があるっていうか。それと…」
「まっつーにすごい言い寄ってて、まっつーの好きな人のことを虐めてる…て、言うのかな」
次は沙夜に代わって竹村が話をまとめた。
だが、疑問が浮かぶ。
‘まっつー’って、誰だ?
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