告白 .

20/21
前へ
/71ページ
次へ
竹村の説明はかなり、分かりづらいことが多い気がする。 国語力、俺よりなさそうだな。 そんなことを思いながら俺は廉に視線を送る。 こんなときはいつも、廉が通訳をしてくれていた。 「えっと、つまり。まっつーていうのは2人の幼なじみだよね?松本…晴希だっけ」 「…あぁ」 廉の言葉に俺は思い出す。 と、同時に俺の中に嫉妬心が生まれた。 いや、まだ名前が出ただけだし。 沙夜の幼なじみ。 この程度で嫉妬するなんて俺らしくない。 「…あたしが2組で探してた子。晴希が好きになった子なんだ」 「何でいなかったんだろうね?」 俺たちは適当に歩きながら中庭へとやってきた。 中庭にも複数の生徒や文化祭へやってきた人がいたが、気にせずに空いているスペースに留まる。 「そんなの決まってんじゃーん!坂井由梨亜の影響で教室に居られない状況だったんでしょ!!」 堂々と、自信満々にそう答える竹村。 わりと外れてはいない予想だろうと俺は思った。 「…そっか」 小さな声で言うと、沙夜は俯く。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加