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雲一つ無い空を見上げ、ため息を落とした。
―突然、空を横切る様に稲妻が走った。
光ったのは確実にこの目で見た。
だが音ゎ一切ない…
私は一瞬固まってしまい、まさに声も出ない状態だった。
隣の女性も今の稲妻に気づいたのだろう、「ひゃっ」と声にならない音を出していた。
女性の異変に気付きそちらを見ると、
その顔ゎ次第に血の気が退いていってるかの様に顔色ゎ白くなっていき、目を剥き一点を見ている。
否、そこから目が離せなくなっていたのだ。
女性が震える手を徐々に上げていき、指を指した。
口をパクパクさせ、また声にならない音で「あそこ」と、言うのが微かに聞こえた。
女性が指す近くの電線に目を向けると、
今までそこに引っかかっていたと思われる黒い物体が線路の上にドサッと落ちた。
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