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赤い果実を食う
目の前のそれに
手を伸ばし
むしゃぶり食う
それがあなたのものでも
必死に食う
悶え苦しみながら
快楽を味わうために
苦しみながら食らう
理性を失って
本能だけで動く私の体
それを受け止める
あなたの心の広さ
大きさ
女らしくなくたって
私は女というものなのです
恋せずと決めた
ただの女です
でも体は違う
心とは別物だから
我慢できずに
果実を求める
知らず知らずのうち
数えきれないほど食らった
味のない果実
ただそれだけを求めるために
私の体が動く
舐めて
さわって
感触を確かめながら
それを口の中にもってゆく
あなたの体がビクリと動き
優越感に浸りながら
音をたてて食らい続ける
無い味を堪能して
快楽を手に入れた私は
その汁を口に含み
彼の口に運ぶ
彼は苦笑いをして
私は彼を抱きしめる
耳元で囁き
また唇を重ねる
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