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「そういや力蔵はどうしたんだ?」
泣いている次郎を無視して、太郎が皆にそう尋ねた。
「そう言えば来てないね~♪」
「電話してみたらどうですか太郎?」
「そうだな」
天馬の意見に賛成した太郎は、そう言ってケータイを開いた。
ケータイを開くと、画面には【未読メール1件:鷹見力蔵】と表示されていた。
「あれ?力蔵からメールが来てる?」
そう言って太郎はメールを開いた。
メールにはこう書かれていた。
【スマンが太郎、公園のトイレに紙がなくてな。悪いけど紙持ってきてくんねーかな?】
「なんだよこのメール?」
読み終わるなり太郎は訳がわからないといったような顔をして、メールを皆に見せた。
「て事は力蔵の奴、今公園のトイレにいんのか?ぶははっ!馬鹿だなぁ!」
いつの間にか泣き止んでいた次郎は、そう言って笑った。
「んっ?ちょっと待ってください皆さん……このメールの受信日、僕達が先生を追いかけてた日ですよ!」
『えっ!?』
天馬の発言に、一同は驚きの声を上げてメールを確認した。
「ホントだね♪」
「そっか、電気銃のせいで電源切れたからセンターで止まってたんだな」
そう言って太郎は、納得したように手のひらをポンと叩いた。
「つー事は、力蔵はまだあの公園のトイレにいるっちゅう事かいな?」
「ははは!さすがにそれはないでしょう神崎さん。もしそうだとすると、力蔵はトイレで2泊3日した事になりますよ」
そう言って天馬は笑った。
「でも、力蔵ならあり得るような気が……」
「ぶははっ!心配しすぎだって太郎!どうせただの寝坊だよ!」
そう言って次郎は、太郎の背中をバシンと叩いた。
一方その頃、力蔵はというと……
「太郎の奴まだかなぁ~。腹減った~」
力蔵は3日間の断食をものともせずに、公園のトイレの便座の上で平然とそう呟いていた。
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