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そうこうして、一郎を含めた6人で昼飯を食べていると、一郎がいきなり意外な発言をした。
「そうだ鈴木!『当たりケータイ』っての見せてくれよ!」
「……へっ!?」
太郎は、驚きで硬直してしまった。
「なっ、なんで先生がケータイの事を!?」
「すまん太郎!実は去年兄貴にケータイの事話しちまったんだよ。まさか学校に来るなんて思ってなかったからさぁ……」
そう言って次郎は、申し訳なさそうな顔をした。
「まぁ、気にすんな次郎。先生、くれぐれもケータイの事は他言しないでくださいね」
そう言って太郎は、一郎にケータイを見せた。
「へぇ~、これからライトセイバーとか出んのか~」
一郎は関心してケータイを様々な角度から見ている。
すると次郎が、何かを思いついたように太郎に尋ねた。
「なぁ太郎、あの写メ撮った奴に変身できるのって、女にも変身出来るのか?」
「へっ?多分出来ると思うけど……」
太郎が曖昧に答えると、次郎が鞄から雑誌を取り出して太郎に見せた。
そこには有名なグラビアアイドルが載っていた。
「この子に変身してくれよ太郎!」
「何!?そんな事が出来るのか鈴木!?」
次郎の横に一郎が加わり、2人で興奮しながら太郎を見ている。
すると、
「それは無理ですよ2人共。その雑誌を写メで撮っても、ケータイは『雑誌』と認識してしまいますからね」
天馬がズバリとそう言った。
すると一郎と次郎は、ガックリと肩を落とした。
「やっぱ兄弟だな」
そんな一郎と次郎を見て、力蔵が太郎に呟いた。
すると、
「良いこと思いついた!皆ちょい待ってろ!」
そう言って次郎が突然立ち上がり、屋上の扉から出て行った。
「……何をする気ですかね次郎は?」
「どうせくだらない事っスよ天馬先輩」
そう言って天馬と澪の2人は溜め息をついた。
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