341人が本棚に入れています
本棚に追加
「いただきまーす!!」
朝から龍崎の威勢のいい声が響く。龍崎は掛け声の後、朝食にがっついた。
「カズちゃん、早いよ!!フライングだよー!!」
妹の優は慌てながら龍崎の後に続いて朝食にがっついた。
カズちゃんとは、家での龍崎の呼び名だ。『一魔』だからカズちゃんなのだそうだ。ちなみに、俺はそんな呼び方はしていない。
「二人とも・・・朝からよく食べるよな・・・」
「ふふははへはひほ?」
「龍崎・・・なに言ってるか分からないぞ・・・」
「ジュンは食べないの?」
「そこそこ食うよ」
「ほひひはふははへははふひはほ・・・」
「優・・・はしたないぞ・・・龍崎の真似はせんでいい」
「お兄ちゃんは食べなさすぎだよ」
「お前らが食べ過ぎなんだよ・・・優、お前最近太っただろ」
「全然。逆に痩せたよ」
「なにっ?!」
あんなに食べてるのに?!
「お兄ちゃん、失礼だよ」
優は頬を膨らませていた。
まったく・・・二人ともどこにそんな量の食べ物が入るんだ?
「みんな、たくさん食べてね♪」
「はぁーい!!お母さん、おかわり!!」
「はいはい♪」
母さんも毎朝よくこんな量の飯を作れるよな・・・
「ジュンちゃんはいいの?」
「あぁ、御馳走様」
「ジュン、今月のお小遣いなんだけど」
「え?」
「食費が少し多かったから、ジュンのお小遣いはなしね♪」
「龍崎!!今すぐその箸を止めろ!!優もだ!!」
「ジュン、諦めが悪いぞ」
「父さん?!」
「そうよ、ジュンちゃん。我慢しなさい」
「・・・」
俺の家に俺の味方はいない・・・
最初のコメントを投稿しよう!