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明日香隼―彼は竜二や武と同じクラスである。勉強、運動…なんでも完璧にこなすあらゆる要素を持っているのだが、それらに価値を認めないニヒルな奴だった。
それを象徴しているように、彼は何の部活にも所属していなかった。
そんな彼は、やはりクラスからも孤立していた。
竜二と武の二人は、やはり彼のことを嫌っていた。気に障るというか、何というか…
「なんだ、お前らも博士に呼ばれたのか。」
二人が固まっていると、隼が口を開いた。傍らにはギターが置いてある。
「悪いか!?」
見下すような物の言い方に武はすぐに頭に血が上った。
「…待て、武。ここで喧嘩しても何の意味もない。博士とミサキさんが来るまで待つべきじゃないのか?」
竜二が武を止めに入った。
「わかってんじゃねぇか、リュウさんよぉ」
隼はそう言ったが、目はあさっての方を向いていた。
三人は、そのあと大人しく待っていた。
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