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しばらくして。
ウィーンと自動ドアの開く音がした。見ると、そこにはミサキと30代前半くらいの男が一人。短髪で、髭はきちんと剃っており、清潔な印象を与える。顔立ちもかなりいい。
「紹介するわ。私のお父様よ。」
「どうも、私が天川です。忙しいところをすまないね。」
三人は耳と目を疑った。あのまだまだ若い男が、ミサキの父親だとは思わなかったからだ。
「うふふ。驚いたでしょ。お父様はね、若づくりしてるの。ホントは50近いのよ。」
「み、ミサキ…!!―あ、あの研究してると徹夜が多くて体に悪いだろう?だから、規則正しい生活をして死ぬまで元気で研究していたいんだ。若く見えるのはオマケでついてきたものだよ。」
アハハ…と天川博士は苦笑いをし始めた。なるほど、と皆納得した。もっとも、博士の言い訳はほとんど信用していないのだが。
「そんなことより、どうして俺達を呼んだのか説明してくれないか?」
隼が冷静な口調で言った。すると、博士は先ほどの優柔不断そうな顔から、突然キッと鋭い顔つきになった。
「ちょっと君たちに頼みたいことがあってね…まずは、私の言うことを笑わないで聞いてくれるかい?」
三人は息を呑んだ。
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