饒舌

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「まみずー、次音楽だよー。」 頭の中では友達だってたくさん殺す。 音楽の教科書を机の中から出して、レンとのプリクラが張ってある筆箱も持って、 『今行くー。』 教室のドアの前で待っている梨華の元へ急いだ。 梨華はボーイッシュな、少し短めのショートカットで、髪色は黒。 癖毛を気にしていてヘアーアイロンで毎朝毎朝まっすぐにしている。 スポーツが得意で歴史が苦手。 年頃だから体型はふっくらしていて、身長は私より高い(確か161センチ)。 笑顔が可愛らしくてさばさばした性格。 手が綺麗。 「そろそろ歌のテストじゃん。」 めんどー、と隣で梨華は言う。 廊下ではギャーギャー男子が追い掛けっこをしている。 邪魔だけれどもう毎日毎日やってることだから馴れた。 『何歌うか決めた?』 「真水は?」 『えー…?』 みんなが選んだやつにしようと思ってた、と言うと梨華も、だよね、と笑った。 音楽室は4階。 私たちの教室は3階にあるから、階段を上らなければならない。
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