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音楽は選択教科。
レンの選んだ教科は体育。
階段にさしかかった時、今正に男子数人と階段を下りようとしているレンと目があった。
たったこれっぽっちでもドキドキする。
レンはにこっと、あの人を惹きつける可愛い笑顔を私に向けて、右手でバイバイと手ふった。
私も慌てて手をふる。
レンの右手。
長い指。
その長い指を舐めたい。
「ラブラブだねぇ。」
梨華の声に現実を叩き付けられたような感じがした。
梨華のにやにやしたこの反応が大嫌い。
死ねば良い。
『別にそんなことないよ。』
そもそも梨華は気持ちが悪い。
ボーイッシュな格好(古着系だし)をしているのに自分はまるでクラスで一番可愛いとでも言いたげだ。
少なくとも私よりは可愛いと思ってるに違いない。
だから私とレンが付き合い始めた途端にレンに馴れ馴れしく話し掛けたり、私にレンとのことをしつこく聞いて来たり、"隣のクラスの西山くんがいっつもあたしに話し掛けてくるんだよね"
なんていかにもあたしはモテるといった口振りでつまらないことを話してくる。
影で男みたいなクセにぶりっこって言われてることも知らないで幸せそう。
「レン超笑ってたじゃーん。」
あんたにレンなんて呼んで欲しくない。
死ね。死ね。死ね。
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