オレンヂ

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『レン!』 少し大きな声をかけながら駆け寄った。 レンはこっちを振り向いてにこやかに笑った。 「見てた?」 ブレザーを脱いでワイシャツ姿のレンは肩の骨のラインが綺麗に出ていて、また私の想いを助長させる。 『見てたよ。』 近くに寄って、座ったままのレンを見下ろした。 また髪の毛が太陽光を吸収し始めて、ジワジワ熱くなってくる。 「俺カッコ良かったでしょ?」 「うわーレンうぜー!」 すぐさま飛んでくる男子からのヤジに、レンは笑いながらうるさいと手のひらを振ってみせた。 長くて綺麗な指が、ひらひら動く。 『レン、カッコ良かった。』 食べたいくらい。 今すぐにでも。 「ありがと。」 食べたい。 食べたい。 食べたい。 「そろそろ帰る?」 『うん。』 サッと立ち上がったレンは当然だけど見上げるほど背が高い。 抱きつきたい。 背骨が砕けるほどに。 肩胛骨より上の背中の皮膚に爪をたてて、ギリギリと食い込ませて、爪の先がツプツプと、皮膚を破り生暖かいものに触れる。 そしてそのまま一気に下へ引き下ろす。 ザザザザザッ。 爪と皮の間に溢れるレンの皮膚、肉、血。 柔らかで、熱い。 「今鞄取ってくる。」 『うん。』 走り出したレンの背中をゆっくり追いかける。
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