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今現実にいるレンは清らかで綺麗なまま。
握られた手は温かく、優しい。
それでも優しく無邪気なレンが笑いかける度にそのレンは"偽物"に変わり、脳内で"本物"のレンが冷たい指でわたしを殺める。
『人居なくて静かだね。』
「なんか変な感じー。」
週番ダりぃー、と目を細めた仕草が可愛らしくて私は小さく微笑んだ。
「真水も一緒ならまだ良かったのにさぁ。」
『そう?』
「うん。そう!」
ほら、ね。
レンは無邪気。
無邪気で可愛くて格好良くて世界一素敵。
「あ、今度カラオケ行かない?言っとくけど俺超歌うまいよ。」
『あはは、本当にー?』
「マジだって!みんなにもうまいって言われたし!」
少しずつ少しずつ、変わっていく関係。
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