秘密

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レンはいつもネクタイを少し緩めに結ぶ。 だからワイシャツのボタンを二つ外しているから、その隙間から肌が見えていた。 「今日も暑いねぇ。」 サッと姿勢を元に戻したレンを見上げた。 長い睫。白い肌。 隙間から覗く、鎖骨。 鎖骨。 『暑いね。今日体育なくて良かったかも。』 鎖骨。 「俺はやだー。体育ないとつまんねーもん。」 綺麗な綺麗な鎖骨。 いつまでもチラつく残像。 舌を這わせて、ゆっくり、ゆっくりと。 なだらかなその球体を味わってから、ラインに沿って20度の角度を斜めに。 先にも球体がある。 それも丁寧に舐めて…。 最初に舌を這わせた球体、そこに歯を立てる。 ズブリと皮膚は鈍く裂けて、私の口内に広がる鉄の味。 ああ、レンはどんな表情をしているだろう。 怖い?心地良い?痛い?悲しい?苦しい?気持ち良い? 『レン体育好きだもんね。』 私は世界一不幸。 「体育のために学校来てるようなもんだし。」 すぐ傍にいるレンを食べることが出来ません。
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