544人が本棚に入れています
本棚に追加
レンはいつもネクタイを少し緩めに結ぶ。
だからワイシャツのボタンを二つ外しているから、その隙間から肌が見えていた。
「今日も暑いねぇ。」
サッと姿勢を元に戻したレンを見上げた。
長い睫。白い肌。
隙間から覗く、鎖骨。
鎖骨。
『暑いね。今日体育なくて良かったかも。』
鎖骨。
「俺はやだー。体育ないとつまんねーもん。」
綺麗な綺麗な鎖骨。
いつまでもチラつく残像。
舌を這わせて、ゆっくり、ゆっくりと。
なだらかなその球体を味わってから、ラインに沿って20度の角度を斜めに。
先にも球体がある。
それも丁寧に舐めて…。
最初に舌を這わせた球体、そこに歯を立てる。
ズブリと皮膚は鈍く裂けて、私の口内に広がる鉄の味。
ああ、レンはどんな表情をしているだろう。
怖い?心地良い?痛い?悲しい?苦しい?気持ち良い?
『レン体育好きだもんね。』
私は世界一不幸。
「体育のために学校来てるようなもんだし。」
すぐ傍にいるレンを食べることが出来ません。
最初のコメントを投稿しよう!