🍀決意🍀

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『宗ちゃんのお嫁さんに なれますように。さえ』 宗一郎「紗衣…」 紗衣「…叶っちゃった」 へへ、と頬を赤らめて 紗衣が目をつむる。 紗衣「春の…匂いがする…」 オレも目をつむった。 土を起こしたばかりの大地。 雪融けの音が響く水辺。 やわらかな光。 そして、春がオレにふれた。 ふれるだけの、優しいキス。 ああ、そうか。 オレの春は紗衣だったんだ。 ゆっくりと目を開けると、 いたずらっぽく 紗衣が笑っていた。 紗衣「しかえし」 ふっと、笑ってしまった。 宗一郎「バカ」 満足げに笑う紗衣を見て、 なんだかすごく 幸せな気持ちになった。 宗一郎「帰るぞ」 この場所に来られてよかった。 ようやく見つけた。 オレが紗衣にできること。 もう一度、あの文字を見る。 オレの思いは一つだった。
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