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宗一郎「ホントにいいのか？」
紗衣「うん」
仮退院２日目。
宗一郎には
仕事に行ってもらうことにした。
宗一郎「今からでも
休みとれるよ？」
紗衣「いいの！
ずっとこうしたかったんだもん」
宗一郎のネクタイを直す。
紗衣「毎日ネクタイ
曲げたまま行ってたの？」
いつものように
しっかり右に曲がっているので、
思わず笑ってしまった。
宗一郎「不器用なんだよ」
うそつき。
ホントは相当器用じゃない。
紗衣「いってらっしゃい」
宗一郎「いってきます」
扉が閉まる。
優しくて、幸せな時間の終わり。
ひとり残される切なさ。
それさえも愛しかった。
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