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久しぶりの我が家は
思ったより片付いていて、
宗一郎が真剣に
ビデオテープを
見ているところを想像して
思わず笑ってしまった。
そのビデオテープが、
テレビの横に積まれている。
ふとビデオテープの
ラベルに目をやった。
紗衣「宗一郎…」
水性ペンで書かれたラベルは、
ところどころ滲んでいた。
それは、彼の涙の痕。
ひとりで泣かないって
約束したじゃない。
全く気づかなかった
自分が情けない。
紗衣「やっぱり器用ね、
宗一郎…」
小さくつぶやいて、
いつも宗一郎が寝てしまう
ソファーに寝てみた。
彼の爽やかな
シャンプーの匂いがした。
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