屋上にて

12/19
前へ
/640ページ
次へ
人がいるのはわかるが、逆光で顔は見えない。 ただ、頬をくすぐるその人の髪からする香りが心地よくて… なんだかまた瞼が重くなってきた。 「ちょ、あの!」 そんな俺に向かって、慌てたように叫ぶ声を聞いて目を開ける。 「何?」 俺が言った言葉を聞いて驚いたような表情を見せたのは、さっきここで寝ていた女の子だとやっと気づいた。 「いやっあの…何を…。」 「ん?膝枕。」 見て分からないのだろうかと不思議に思いつつ、体を起こした。
/640ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10081人が本棚に入れています
本棚に追加