新しい家

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  田「ん?どうしました、肩なんて落として・・・。」 誠「あっ、いえ。何でもないでス。」 俺は右手を左右に振り、作り笑いをした。 忍者もいない。 舞妓もいない。 日本って、侍の国じゃなかったのかよ。 なんて、死んでも言えない。 俺は口をもごもごさせ、玄関へと入った。 誠「<・・・キレイだ。>」 俺は目の前に広がる光景に、驚いた。 白の壁ではなく、木。 木造建築物に入った感じだった。 下駄箱の上にある生け花も、趣があり、美しかった。 誠「ドイツと全く違ウ。別の美しさがある。」 田「そう言われると、うれしいですね。」 信二さんは、照れたのか後頭部を軽くかいた。 靴を脱ぎ、家へとあがる。 スーツケースも、床を傷つけないように、抱えて運んだ。 信二さんは、ひいても大丈夫といってくれたが、申し訳ない。 こんな美しい家に、ウィールで傷をつけたくなかった。 誠「ここは寺ですカ?神社ですカ?」 田「アハハ。寺でも神社でもないよ。普通の一軒家。」 信二さんはそういって、一つの部屋へと案内してくれた。 ドイツみたいに、ドアノブがないドア。 父さんから教わったが、障子というドアらしい。 スライドドアと似ていると聞いたが、確かにスライドドアっぽかった。 信二さんは、ドアのくぼみに手をかけ、カラリと障子を開ける。 誠「・・・・??」 今までかいだ事のない匂いが、俺の鼻にツーンと来た。  
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