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田「ここが、誠也君の部屋。俺の家には、君の家っぽい部屋がなくて、ゴメン。」
信二さんは俺の背中をトンと押す。
押された衝撃で、部屋へと入った俺。
別世界にきた感じだった。
緑のカーペットみたいなもの。
ざらざらとしてて、草の匂いがした。
そして、中央に低いテーブル。
椅子がない。
大きな茶色のタンスに、本棚。
自然の匂いがした。
誠「・・・草?」
俺は緑色の床に指を差した。
田「違うよ。これは畳。」
誠「たたみ?」
俺はしゃがみこみ、床を触った。
畳って、コレの事か~。
けど、めっちゃくさい・・・。
俺は思わず鼻をつまむ。
その様子を見て、信二さんはクスクスと笑った。
田「すごいだろ?初めて嗅ぐ匂いじゃないかな?」
誠「初めてでス。」
田「まぁ、いずれ慣れるよ。」
信二さんはそういって、タンスから、二枚のクッションを取り出した。
信二さんいわく、座布団らしい。
椅子のない部屋はコレを敷いて、その上に座る。
まぁ、俺から見れば、クッションだった。
誠「ジャブトン?」
田「違う、ざ・ぶ・と・ん。」
誠「ざぶとん。」
田「そう、座布団。」
俺達は、その座布団というクッションの上にすわり、発音の練習をした。
いくら両親が日本人と言っても、俺は主にドイツ語を使っていた。
確か、幼稚園の頃は、今より日本語がペラペラと親は言っていたが、俺は覚えていない。
けど、これから日本に住むので、日本語は大切。
信二さんと約束をし、日本語の勉強時間を作った。
田「この調子で、学校通えるかな?」
誠「俺は、国際学校じゃないんですカ?」
田「国際学校?・・・違うよ、普通の学校。」
誠「えっ!!?」
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