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信「あ~、亮太郎か。」
信二さんは男性を見て、ニコッと手招きした。
・・・・・手招き?
再び男性に視線を戻すと、彼はそこにはいなかった。
俺はフーッと息を吐き、後頭部を軽くかいた。
誠「今の人は誰ですカ?」
信「山口亮太郎。君と同じ歳だよ。」
誠「山口・・・亮太郎?」
俺は名前を復唱した。
山口亮太郎。
俺と同じ歳。
バスケが大好きで、かなり上手いらしい。
俺は信二さんの説明を黙って聞いた。
第一印象は「鯉みたい」だった事は、言わないでおこうと、心の中で誓った。
すると、玄関先が騒がしくなった。
ドンドンと扉を叩く音。
力加減を知らないのか、相当な力で叩いている事が、音の大きさで分かった。
信「おっ、来たみたいだね。・・・呼んでくるから、待ってて?」
信二さんはそう言って、部屋を出ていった。
草みたいな匂いは既に慣れたのか、気にしなくなってきた。
俺は座布団というクッションの上に座り、信二さんを待った。
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