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すると、カラリとスライドドアみたいなドアが開いた。
俺は視線をそっちへ向ける。
誠「・・・。」
亮「やっ、初めまして。」
誠「・・・。」
俺は黙って、信二さんに視線を向けた。
先ほどまで隣の家にいた少年が、今は俺の目の前にいる。
信二さんもニコニコしながら、部屋の中へと入ってきた。
信「亮太郎、この子は誠也。田仲誠也だ。」
亮「ども、山口亮太郎です。」
亮太郎と言う少年は、笑顔で俺に右手を差し伸べた。
誠「田仲・Ma・・・田仲誠也でス。よろしくお願いしまス。」
俺は、最初ミドルネームを言い掛けたが、言うのをやめた。
そして、亮太郎の手を握り、握手した。
亮「えっ、理事長。誠也はどこから来たん?何か、日本語の発音が・・・。」
信「誠也はド」
誠「俺はドイツから来ましタ。」
俺は信二さんの言葉を遮って、亮太郎の質問に答えた。
すると、亮太郎は口を開けたまま、俺を見た。
そして、初めて見た時と同じように、口をパクパクしはじめた。
やばい、笑いそう・・・。
俺は必死に笑いを堪え、亮太郎から視線を動かさなかった。
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