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すると、放送が入った。
俺が乗る便についてだった。
放送を聞いて、黙り込む友達。
俺も言葉が見つからず、思わず無口になってしまった。
父「<駄目だろ、誠也。そんな悲しい顔をしちゃ。>」
父さんの手が俺の肩に触れた。
悲しい顔をしている?
俺が?
ふと流れ落ちた涙。
俺の頬をつたり、そのまま床へと落下した。
あぁ、俺って、今泣いているんだ。
わかっていても、どうしようもない。
涙は一向にとまらなかった。
「<マット、泣くなよ。>」
誠「<そう言うお前も泣いてるぞ?>」
「<違う、コレは心の汗だ!>」
誠「<へへっ、勝手に言ってら~。>」
俺はそういって、涙をぬぐった。
俺を囲む友達全員泣いていた。
中には、ボロボロと涙を流し、若干鼻水がたれていた子もいた。
誠「<それじゃぁ、行って来るね。>」
俺はお別れを告げ、一人一人にハグをした。
男女かまわずハグする俺。
男も女も皆泣いていた。
誠「<父さん、母さん、行ってきます。>」
最後に両親と別れを告げ、俺はゲートをくぐった。
「<元気でな!>」
「<俺達、皆、お前を待ってるから!>」
「<絶対に帰れるようにするから!>」
友達は大声でそう叫ぶ。
俺はただ一人涙を流し、振り向かずに手を振った。
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