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「相変わらずだな、杏ちゃん。」 翔の後ろに誰かが居た事など気付きもしなかったが声でわかる。 私は、翔の肩越しから声の持ち主を確認をする。 翔の1個上で私と同級生の陽(ハル)くんが立っていた。 「陽くん……いらっしゃい……。」 「こんにちは、杏ちゃん。こいつ遼(リョウ)。」 へっ? 「あっ…えっ?……」 陽くんが紹介してくれたのは、なんと映画館で私のファーストキスを奪った男! 「杏姉ちゃん?どないしたん?」 「初めまして、杏さん。橘遼(タチバナリョウ)です。」 そこに、笑顔を私に向ける天使ではなく悪魔が立っていた。
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