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「翔、本当に弱いんだね。」 「ゲームなんか弱くてもえぇんや……そんなん強くても……大切な人を守れへんやん。」 翔は、陽とキス魔変態が対戦しているゲームを見ながら言った。 それは、いつも見る翔の顔とは違って、どことなく大人な感じがしていた。 「翔は、大切な人いるの?」 自分で翔に聞いたけどなんだか胸がチクリと痛い。 「おるよ。」 翔の言葉に、私は凍りついた。 翔に、大切な人がいる。 思いもしなかった。 家族になってから、いつも“杏ねぇ”と傍にいてくれた翔。
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