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「杏、聞こえない。」 ヤダヤダヤダヤダヤダ! キス魔変態の唇が私の唇に触れた。 逃げたくても両手を握られたままの私は、逃げる事も出来ないでいる。 「ちゃんと、聞こえるように呼べよ。」 「………………。」 「早く呼ばないと、またするよ。」 悔しい。 私は、思いっきり息を吸い込んだ。 絶対に、キス魔変態なんかに負けないんだからね。 「遼!!」 「ばっ………。」 思いっきり、叫んだ。 キス魔変態が聞こえるようにと言ったから、出来る限りの声を振り絞って名前を呼んだ。
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