眠り姫

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俺は適当に、頭と体を洗った。 …肩がこる。 そして、頭をタオルでふいた。 …髪…邪魔だな。 制服のYシャツに腕を通したもののボタンを全開にしながら、ぼんやり立っていた。 ……ボタン、なんでこんなに付いてんだろ 着るの…ダル。 まぁ、いいや。と思い 俺はYシャツを脱いで、学ランを肩にかけ、啓吾のいる部屋へと戻った。 ―ガチャ 部屋の扉を開けると、啓吾は俺の部屋に置いてあった雑誌を見ていた。 「おー伯、って…ぇ」 雑誌ではなく俺を見た瞬間に啓吾は驚いた 「ん?」 「…あ、いや…… なんで、上着てないワケ?」 「ボタンが、めんど…」 「あ~、なる程。 それでも、ちゃんと上を着なさい。 頭は濡れてると思ってたけど…」 「……しろのロンT、取って… 代わりに、きる」 俺がそう言うと、啓吾は手慣れたようにハンガーから、白の服を取った。 「はい、これね」 「ありが、と…」 俺が服を受け取ると、啓吾はまた、雑誌を見始めた。 ロンTを着て、学ランを着た。 「ちゃんと着た?」 「…ん」 「それじゃ、次は頭ね 俺がふいてやるから」 そう言うと、見慣れたタオルを、どこからか取り出した …なんで、タオルの場所知ってんだ? まぁ、啓吾だから…か _
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